”神と呼ばれる何か”との邂逅〜統合失調症エピソード

友人のM氏とのやり取りの中で、「統合失調症の患者は、霊的なものを経験したという人も多い」といった話になり、ふと自分の経験が頭に蘇ったので、記録として残しておこうと思う。ちなみに僕は統合失調症との診断はされていないが、個人的にその要素を持っていると思っている。

 

話は5年前に遡る。

 

人事部長から、「次の休職が最後、それで回復しなければ退社を検討してもらう。」と言われ、いいようのない絶望感の中、僕は休職に入った。

 

鬱期だった事と合わせ、ネガティヴな思考に囚われていた僕はストレスを貯め、ベッドから出られない日々が続いた。病院に行く事も出来ず、半年近く薬も飲めなかった。食事もろくに取れず、体重は65kgから48kgまで減っていた。

 

状態は悪くなる一方だった。

 

極限状態に陥ったある夏の暑い夜、突然、頭の中で聞き慣れない声が響いた。程なく、黒いベールを纏った球体のような物が頭上に現れた。

 

それは禍々しくも神秘的だった。

 

何故か、それを”神と呼ばれる何か”であると認識するのに時間はかからなかった。

 

僕はその”何か”との対話を試みた。 ”何か”は多様な物事の真理を教えてくれた。政治や経済、スポーツ、ITなどから、果ては人類の起源や地球誕生の意味などだ。

 

教えられた膨大な情報は、左脳をノコギリ状に通り過ぎ、脳梁を経由して、右脳で螺旋を巻いてイメージ化された。前頭葉が活性化し、脳全体が熱くなった。

 

程なく、頭が割れるような痛みを感じた。それと共に、世界が虚像と真理の二重に見えるようになり、”転生”したような感覚を得た。

 

大量のアイディアが噴水のように湧き上がってきた。

僕は忘れまいと必死にメモをした。

 

僕はこの”何か”との対話中、ずっとTwitterで実況中継のようなものをしていた。異変を感じた友人が救急車を呼び、僕は保護された。

 

その後、数日して”何か”は消えた。しかし、世界が二重に見える感覚は今もなお薄っすら残っている。

 

僕はその後急速に回復し、デイケアを経て、復職することとなる。